猛烈<MOHRETSU>::あの時の匂いがわかる人たちのためのミュージック&サブカルチャーWEBマガジン

レオナ825.psd

新譜論: 
CDレビュー
特集『レオナ・ルイス』
20年に一度の歌姫誕生…
レオナ・ルイス

【Profile】

1985年、ロンドンのイーストエンドに生まれる。
幼いころから、DJのアルバイトをしていた父親がかけるレコードに合わせて歌ったり、クルマの後部座席でひとりで歌ったりするほど音楽にはなじみがあったレオナ・ルイス。彼女が初めて手に入れたアルバムはミニー・リパートン。その他にも、マイケル・ジャクソンやホイットニー・ヒューストンなどを好んで聴いていたという。
6歳からパフォーミング・アーツ・スクールに通い、クラシック音楽を学んでいたが、子供のころから彼女はシンガーになると決めていた。
14歳のときにブリット・スクールに通い、レコーディングやソングライティングなどの勉強をするようになる。


Leona Lewis Artist Photo NEW 2 mini.jpg


その後、下積み生活を送りながらデビューするチャンスを待っていたレオナは、『アメリカン・アイドル』のUK版ともいえるオーディション番組『The X-Factor』に応募する。応募したときはまったく自信がなかったというレオナだが、辛口で知られている審査員のサイモン・コーウェル、ルイス・ウォルシュ、シャロン・オズボーンなどが手放しで彼女の歌を絶賛し続けた。
彼女は2006年度の優勝者となり、優勝直後にリリースしたデビュー・シングル「A Moment Like This」はUKシングル・チャートで初登場1位を記録し、4週間で100万枚近いセールスを記録したのである。

そして、セカンドシングル「Bleeding Love」を挟み、デビュー・アルバム『SPIRIT』は2007年11月にリリースされる。このアルバムも初登場から7週連続で1位を獲得し、UKのみで200万枚を越えるヒットとなっている。

Leana photo new.jpg 
 
【デビューアルバム『SPIRIT』について】

20年に1度の逸材と言われるほどのレオナ・ルイスのアルバム『SPIRT』は彼女の確かな歌唱力を堪能するには十分な魅力にあふれている。しかし、決して派手なアルバムではない。むしろ、どちらかというとデビュー・アルバムにしては地味な方だ。特別に歌い上げるわけでもなく、ダンサブルなわけでもない。しかし、だからこそ彼女の歌声が引き立つのである。
 
「楽器の生演奏を中心としたサウンドと、その音楽の真ん中にちゃんと歌が存在していることをポイントに収録曲を選んでいった」と彼女はインタビューで答えているが、まさにそういった楽曲が目立つ。どの曲も中心にあるのは、艶があり、ときにはエモーショナルになるレオナ・ルイスの歌声なのである。
 
派手さはないが、それだけにアルバム全体を通して聴くと統一が取れていて落ち着いて聴くことができる。そして、聴き終えたときに、また最初から聴いてみたいと思わせてしまう魔力を秘めている。
 
 
Leona Lewis Spirit cover mini.jpg 
 
 

【『SPIRIT』楽曲解説】

浮遊感とレオナのつややかなボイスが融合した気持ちの良いミディアムポップスのオープニングナンバー「Bleeding Love」では彼女独特の時折かすれた声が印象的だ。爽やかな海の風を連想させるこの曲は、人を愛することの素直な喜びが表現されていて、私たちに勇気を与えてくれる名曲で、おそらくこの曲は彼女のスタンダードナンバーとなるだろう。
 
ソングライティングの勉強もしたというレオナが曲作りに参加している②の「Whatever It Takes」もまた力強い愛を誓ったミディアムナンバー。彼女の伸びやかな高音ボイスを随所で楽しむことができる。
 
オープニングのキーボードから印象的な泣きバラードの③「Homeless」では愛を失ってしまった女性の悲しい気持ちが切々と歌われている。ただ単に歌い上げるのではなく、あふれ出る感情を素直に表現しているレオナの表現力の奥深さが堪能できる。
 
④「Better In Time」は、レオナ・ルイスの声を前面に押し出したミディアム系美メロバラード。これもまた気持ちの良い曲で、失恋をした女性が立ち直ろうとする気持ちがあらわれている。レオナの艶のある声とそれを支えるコーラスが絶妙な1曲。
 
レオナの高音ボイスを楽しめるのが⑤の「Yesterday」だ。この曲もまたレオナの声やハーモニーを重視した美メロバラード。安定した彼女の歌唱力はこういった落ち着きのある曲にこそ顕著にあらわれると思う。
 
⑥「Take A Bow」はアルバムの中ではちょっと異色の哀愁系バラードだ。レオナの声には艶だけではなく、品も備わっている。それはシャイな彼女の性格からにじみ出たものだと思われるが、そのことがこの曲を聴くと良くわかる。決して感情に浸るのではなく、冷静になろうとする彼女の歌に対する姿勢が感じられるのだ。
 
時折ため息をつくかのように歌われるレオナの声が印象的な⑦「I Will Be」はピアノとギターやバイオリンといったストリングス系の楽器をメインとしたアコースティックな美メロバラードで、アヴリル・ラヴィーンのカヴァー曲。あたたかな雰囲気にあふれたこの曲もまた私たちを優しい気持ちで満たしてくれる。新人とは思えないほどの落ち着きと余裕を感じさせる。
 
ミディアムポップスの⑧「Angel」は愛する人に対するラブソングである。レオナの確かな歌唱力とその声が持つあたたかみを感じられる。肩の力を抜いて聴くことができるのがレオナの歌の魅力なのだが、この曲はまさにそんなことを感じる。思わず一緒にくちずさみたくなる曲だ。
 
レオナ自身も曲作りに参加している⑨「Here I Am」はピアノメインの美メロバラード。静かだが力強いレオナの歌声をたっぷりと聞かせてくれている。こういった力強さを感じさせるところもまた彼女の歌声が持つ魅力のひとつと言える。
 
⑩「I'm You」はCo-Produceに今大人気のNe-Yoを起用したミディアムテンポの少しR&Bっぽいフレーバーがちりばめられた曲。変化に富み、歌うのは容易ではないと思われるが、難なく歌いこなしているところにレオナの歌唱力の確かさを感じる。
 
明るいミディアムナンバーの⑪「The Best You Never Had」はレオナのこれからの音楽性を予感させるような曲である。落ち着きがあるからこそ出てくる余裕を感じさせる軽快な歌だ。もっともっと聴いていたいと思わせるナンバー。
 
ロバータ・フラックが歌い、セリーヌ・ディオンやジョージ・マイケルなどもカヴァーした⑫「The First Time Ever I Saw Your Face」は音楽好きのファンを喜ばせる選曲と言える。彼女の歌声を前面に押し出したアレンジはレオナのシンガーとしての貫禄を感じさせる。他のアーチストに負けないほどの個性を出しながらも原曲の良さも損なうことなく歌い上げている。
 
壮大なスケールの美メロバラードの⑬「Footprints In The Sand」は社会的弱者や世界の最貧国を救済するためのチャリティ基金『Sport Relief』の2008年度公式テーマソングとなっている。後半の大コーラスの盛り上がりは聴いていると鳥肌が立ってくる。オリジナルアルバムではラストに当たるが、まさにアルバムのラストにふさわしい曲。
 
日本盤のボーナストラックに収録されている⑭「A Moment Like This」はケリー・クラークソンのカヴァーで、UKではレオナのデビューシングルとなり、4週間で100万枚近いセールスを記録している。繊細でありながらも、芯のあるレオナの歌声を存分に堪能できる曲だ。
 
⑮「Forgiveness」も日本盤のみのボーナストラック。ちょっとジャジーな雰囲気のミディアムナンバーで、こういう曲も軽く歌いこなしてしまうレオナの歌唱力に舌を巻く。この曲はレオナ自身も曲作りに参加している。
 
レオナもソングライティングとしてクレジットされている⑯「You Bring Me Down」もまた日本盤のみのボーナストラック。これもアルバムでは聴けない独特の雰囲気にあふれている。レオナの幅広いジャンルをこなす歌唱力を再認識させる曲と言える。
 
【今後の展開】
<20年に一度の逸材>、<ホイットニーやマライアの再来>などレオナ・ルイスに関する表現はさまざまだ。確かに、彼女はそういった表現にふさわしい歌姫と言える。しかし、そういった凝り固まった表現にとらわれずに、もっと自由に歌って欲しいと思う。
日本盤のボーナストラックに収録されたジャジーな曲にチャレンジしてもいいし、初期のホイットニーのようなキャッチーで明るいダンス曲に挑戦してもいいだろう。これだけの歌唱力があるのだから、ひとつのイメージに凝り固まることなく、レオナ・ルイスならではの世界を広げることを期待している。。可能性をたくさん秘めた歌姫の誕生を心から喜びたい。
そして、日本でも生のパフォーマンスで私たちを魅了してくれる日が来るのが楽しみだ。
 
 
 
ライター/武田 健
 
 
LinkIconオフィシャルサイト 
 
 
 
 

side_rogo.psd








WHAT'S NEW



INTER NEWS最新ニュース



LinkIconインターニュース サイトへ

PR 永井豪デビュー40周年記念特集
PR しょこたんのCD
PR 韓流の世界フェア

メールマガジン登録者募集中!
登録者に抽選でプレゼント!