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特集: ROCK力=持続力
file:02 サエキけんぞう
「パール兄弟 24年目のREASON」

基本的に歯学系ミュージシャンというと最近ではGReeeeNを挙げる方が多いと思うが(無論彼らはまだ学生で顔出しNG)、我々の世代ではまず彼の名前を挙げない方はいないのではないだろうか?ミュージシャンという観点で見てもパール兄弟を代表に数々の経歴を持ち、プロデューサーとしてさらには文筆業、各メディアのパーソナリティ、コメンテーターと数々の顔を持ち、最近ではFLASHアニメ等のクリエーターをバックアップする心強い兄貴としても活躍中である。
ハルメンズの紙ジャケ再発、フランスでリリースされた2枚組CD「カマンベール&スシ」も話題沸騰中のサエキけんぞう氏に今年結成24周年を迎えたパール兄弟の秘話を中心に昨今のネット業界について語っていただいた。

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僕の活動にはなぜか必ずフィニッシュに異文化交流があるんです。(サエキ)



ー まずはサエキさんが音楽を始めたきっかけを教えてください。

サエキけんぞう(以下サエキ):高校の頃、それこそ自然にバンドを組んでいて大滝詠一さんの替え歌なんかをやってまして(笑)、あと普通にクラプトンのカバーなんかもやってたりしましたし。それらの活動を”少年ホームランズ”という名前でやってまして、ライブをはじめてやったのもこのバンドです。ただこの名前自体は、お座敷宴会芸等でみんなで騒ぐユニットとしてかなり昔から付いていたんですね。その後大学に入ってそのメンバーが主体になってハルメンズに発展していったんです。小学校からの友達でベーシストの初代メンバーは今経営コンサルタントをしますし、二代目は幼稚園の校長(笑)。そういった地元千葉の人脈で音楽活動をしていました。その中にはオリジナル・ラヴの初期ドラマーの宮田繁男くんやポータブル・ロックの鈴木智文くん(ギター)、 千葉高の一学年下のキーボードの上野耕路(少年ホームランズ〜ハルメンズ)くんといった人達とも一緒にやりました。先輩にも恵まれ、そういった音楽コミュニティが千葉にはしっかりあって、それらの人脈がその後、宮田くんが中心になって青学の音楽サークル”ベターデイズ”(サザンの桑田佳祐が立ち上げたといわれている)等になだれ込んで彼を中心に盛り上げられて、ハラボーズなんかはそういったメンバーを中心に作られたりしたんです。

ー ハルメンズはどのように結成されたのですか。

サエキ: 少年ホームランズに比賀江隆男君という僕の小学校からの幼なじみが加入して、彼はグループの中で窪田晴男のような存在になるのです。千葉の宮田くん達が青学の”ベターデイズ”に千葉のスパイスを持ち込んで縁の下の力持ち的役割をしているのとは対照的に、千葉のメンバーである面々に、東京の明学附属高に通っていた比賀江君が東京的風味を持ち込んだ形で、 ハルメンズの母体が出来たんです。僕の活動にはなぜか必ずフィニッシュに異文化交流があるんです(笑)。つまり千葉のままだと出ていけない、また青学のサザンの後輩達も千葉無しでは育たなかっただろうという状況もあるわけです。その当時青学の同期には小西康陽くん(北海道出身)や高浪慶太郎くんもいるわけで。まさに異業種と地域の交流ですね。70年代当時ロックの地域別カルチャーというものが存在していたのですが、そういう地方の立ち位置がスパイスで入ってくる事で当時のロックの形成にかなり大きな役割を果たしているのは間違いないですね。

ーデビューの直接のきっかけは何だったんですか。

サエキ: 直接のきっかけは、少年ホームランズで作っていたデモテープがメジャー数社で興味を引いてそれでデビューに至ったんですが、少年ホームランズが僕のプライベートなバンドの名前だったんで、メンバーの公平さを保つために、また、意味に拘束されない名前にしようと。バンド名は意味の全くない”ハルメンズ”に決ったんです。

ーバンド名は、最終的にどうやって決まったんですか。

サエキ:最初は”ジョリッツ”って名前もあったんですが(笑)、カテゴライズされない音楽だったんで、たとえば”ジョーカーズ”って名前になったらシャープなロックの雰囲気を与えてしまうとかになってしまうわけで。当時”ノーコメンツ”とかスカ風のバンドが出てきたりしてかなりカテゴリーを限定した名前が多かったんです。technoでいうと”プラスティックス”とか。”ハルメンズ”はわりと総合的だったので、分類されない感情を名前にするとしたらという事で、最終的に”ジョリッツ”と”ハルメンズ”の二つが残って。”ジョリッツ”はあんまりだったんで(笑)、消去法で”ハルメンズ”になりました。誰も積極的に賛成していない、弱い名前です(笑)。

つき合っていた娘が「やったらいいんじゃない?」と言ってくれたんですね。今考えるとその言葉無しにはパール兄弟はスタートしなかったですね。(サエキ)


ー ハルメンズからパール兄弟へ活動が移行していった経緯を聞かせてください。

サエキ:実はハルメンズは解散した1年後に、「ハルメンズの伝説」という解散コンサートをやったんです、はっぴぃえんどという大先輩を習って(笑)。解散した後にコンサートしてもいいだろうという事でやったんですが、実際は再結成という形なんです。見ている方にはそういうことは判りませんが。。メンバーが既に半分入れ替わっていて、同じ千葉市出身の立川芳雄君率いるヴォイスというバンド等の力を借りてコンサートを1982年に行ったんです、クロコダイルで。その時にゲストとして戸川純と野宮真貴が出て。既に 窪田(晴男)とは出会っていたんですが、その時なぜかハルメンズのマニアが出来ていたんです、この2年間の活動の間に。通常100人程集まれば良かったライブにその時は200人以上の人が押し寄せて半端ない状態で登場を待たれていたので、こちらとしては既に(次の活動に移れる)状況が出来ていたと思います。これは何かが始まっているな、と。その会場に窪田が来ていてライブを観ているんです。彼としては自分の流儀と全く違うカルチャーとサウンドである事と、難点はあるだろうけど興味は持ってもらったという事で。ライブ会場は、その当時の流行語で言えば”ほとんどビョーキ”の人達でいっぱいでした(笑)。引き篭もりという言葉はまだなかったんですが、それに近い内向的な人が多かったんです。集まっているのにざわざわしないでシーン、としていましたね(笑)。 その後「ハルメンズどうするんだ」という気持ちは少なからずありまして。その前に”隣の印度人”と”森の人々”なんかの戸川純ちゃんが歌うことになっていた曲、ハルメンズの3枚目のためのレコーディングも行っていて、そのマルチもあったんですけど、フィニッシュしませんでした。ハルメンズって、何をやるにも凄く時間がかかっていた。そんなに時間がかかるのはいかがなものか、とという気持ちがあって。そんな頃に出会った窪田晴男が音楽のエキスパートであり、しかも実践的であることに凄く驚きを得て、これだったら出来るんじゃないかなと。アイデアが即実行に移せるスピード感が必要である、と、パール兄弟を作る動機になりました。

ー その窪田さんとの出会いから、パール兄弟が正式に結成さるまでのエピソードがありましたらお聞かせください。

サエキ:ハルメンズの頃に、僕がつき合っていた娘がいまして(笑)。その娘が、以前に二人で「人種熱」というバンドのライブで見ていた窪田晴男と路上でばったり会い、「窪田君は、編曲もできるし、なにやら色々できそうだ!、バンド組んじゃえば?」と、言ってくれたんですね。今考えるとその言葉無しにはパール兄弟はスタートしなかったですね。つまり仲人のような人がいたわけですよ。その元彼女は、今でもライブに来てくれています。

ー そんなスタートをしたパール兄弟ですが、その道のりはいかがでしたか。

サエキ:83年から人のライブの前座をいっぱいやりました。10分でもお客をつかんでいこうという感じで、人のライブにお邪魔してショックを与えて客を持っていくという酷い事をやっていまして(笑)。楽しくやっていたので、シーンをかき混ぜて、お返しに、ちょっとは活性化してたと思うんですけどね。そんなこんな3年ぐらいライブがボンクレ(お盆と正月)だけやっていました。僕が徳島の歯医者の大学に行っていたからです。ハルメンズの時も1年間休学して活動していたんです。僕が歯科大学に居たことは、メンバーを先行き不安にさせたかもしれませんね(笑)。


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プロフィール

サエキけんぞう


ミュージシャン、作詞家、プロデューサー

1980年「ハルメンズの近代体操」でデビュー後、パール兄弟を結成。作詞家として多数のアーティストに作詞を供給し、テレビ、ラジオ出演の他、エッセイ スト、プロデューサー、ゲンスブール委員会として幅広く活動中。2003年に はフランスでソロアルバム「スシ頭の男」を発売、フランス5カ所のツアーを行 った。窪田晴男とのパール兄弟活動も再開し2004年に再びフランス9カ所のツア ーを行う。アルバム「カマンベール&スシ」が、フランスでリリース。

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